本命氏2年ぶりのストプレに行ってきました
約1ヶ月前まで日比谷の実家ことシアタークリエでTENTH通いをしていたわけですが、ただのミューオタでした。
特に3週目のガラコンでは、2015-2017family信者大満足の日々で、でもTENTHには出演されてないご贔屓ファミリーもいたのですごく寂しい気持ちもありました。2012familyの田中ロウマさん×米倉利紀さんのエンジェルとコリンズは演出が変わる前だったので詞の違いにまずびっくり。
私の部屋で暮らしましょう RENTは要らない 代わりにキスを
いつでも I'll cover you
これが耳に馴染んでる東宝ICYの歌詞なのですが、2012版になると下記の変化があります。
一緒にふたり暮らしていこう RENTは要らない 代わりにキスを
結構これ雰囲気変わるんですよね。2015以降の「私の部屋で暮らしましょう」は、そのあとの「あなたはキング私のお城の」への伏線だと考えているのですが、2012版は「あなたがキング 私のお城の」になってました。細かい話でした。「は」が「が」になると、ちょっとエンジェルのが強く見えますね。決定権はエンジェルにあるように見えます。だけど平間エンジェルの方がコリンズを尻に敷いてるイメージがある。笑
そして、このロウマ米倉組は笑いのツボが一緒に見える。その空気感の可愛らしさは歴代1位。T4Uでノリノリのコリンズまでは見たことあるのですが、一緒に踊りだすコリンズは初めて見ました。すっごく素敵なカップルでした。エンジェルとコリンズは幸せになってください。お願いしますリプライズとか…要らないんで…大丈夫なんで…
他の見所としては、15エンジェルコリンズ復活回も挙げられると思います。平間さんと加藤さんは「人生最初にして最大の恋愛エンジェルコリンズ組」と勝手に呼んでいます。コリンズには初恋系と最後系がある学派に属しているので、初恋系コリンズの代表格である加藤さんが復活したことに胸が高まりました。平間さんの声はしんどそうでしたが、二人が並んでICYを歌ってる姿を見れるだけでもう、ありがとうございます…。復活つながりでspiさんのベニーが復活してたのも泣きました。結局今でもどうしょうもないspiベニー信者です。ありがとう。喜んでレンジローバーからケツどけます。ICY終わるとYou'll see?が来ると思って来ない。バカほど希望を捨てないオタクなので毎日終演後友達に「明日はspiベニーのYou'll see?があるかもしれないから頑張って観てくるね!」とラインしていました。気が狂ってる。
ど頭SOLでは、舞台上にいるファミリーよりもいないファミリーのことを考えていました。あの場にはいなかったけど大好きな役者さんがまだまだいます。15も17もみんな来てほしかった。ずらっと並んでるのを見たかった。Wベニーも、トリプルエンジェル・コリンズも、実現したら最高なのに。17でちゃんと輪郭をはっきりさせ、そこに存在することができたマークがあんなにもがいた15のファミリーと並んでるのは泣けました。
彼は、ちゃんと、良く、舞台上で生きている。
そして、中川晃教さん、石丸幹二さんと繋いできたコンマスのポジションに居る本命さん。死ぬなら今がいい…ファミリー自由すぎてほぼ仕事してないけど…
「みんな言いたいことは言いましたか!?僕達喋るのここだけなんでね!!!!」
楽日のカテコ以外でMCしてたのこれぐらいだった気がします。
余談ですがその時期にメンタルが程よく狂っていたので、来る日も来る日もZANNAの「君にわかる」で大号泣。Zanna,Don't!ちゃんと見たいから再演してほしい。
そんなただのミューオタ月間も無事に終わり。
2年ぶりにストプレ現場に帰ってまいりました。
前置きが異常に長くなってしまった…。
「99才まで生きたあかんぼう」
0才から99才までの男の生涯をたった6人の俳優で演じきるというところが開幕前から話題だったらしい。確かに、すごいかもしれない、6人しか舞台上にはいない。2段になっている部隊の上手下手にはゴングが置かれ、頭上にはデジタル表記の「99」。この数字は主人公の年齢を示しているものでした。
前アナで「この舞台はコメディです」と辻さんに言われるのだけど、コメディというにはあまりにも温かい。笑い飛ばすよりもほっこりのが強かったです。笑
この物語の中に、スーパーマンは登場しません。ドラマチックな出会いも、胸を突くような逆転劇もなくて。ただ山あり谷ありの人生という道を諦めずに歩いていく、一人の男性の話でしかないのです。故に、メッセージもシンプルでした。
息子よ。父ちゃんの人生のモットー教えたる。第一に丁寧な仕事。第二に勤勉。第三に誠実。第四に寛大。第五に忍耐。第六に謙虚。第七に友情。そして、最後に、スマイルだ!😁 pic.twitter.com/HYGkSOXRSI
— 辻仁成 (@TsujiHitonari) 2018年1月26日
99才まで生きたあかんぼうを観て、改めて本命さんは美しい役者さんだと感じた。
役者さんの応援をしているのには色々な理由があると思う。歌やダンスが上手かったり、顔が好みだったり、いつも優しかったり。100人オタクがいたら100通りの理由があって、そういうもんでオタクは生きてる。
その中で私が本命さんを応援してる理由は「分からないから」です。カメレオン俳優で、空気ごとガラッと変わる本命さんの「本体」が分からない。分からなかった。だからずっとずっと見つめることができていた。分かりたくて、ずっと追いかけていました。それなのに、99才まで〜を観たとき、分からないはずの本命さんの「本体」に重ねて、物語のあかんぼうを見つめている。
あかんぼうは、成功もするし、失敗もして。時には人を馬鹿にしたり、周りの人を傷つけたりもする。逃げることだってある。でも、都度都度反省したり、他者とぶつかったり、許されたり、そういう繰り返しで彼の人生は展開する。
彼の人生から、「人生は同じ出来事の連続である」ことが見えてきます。
母から生まれる。
あかんぼうも父になる。
あかんぼうは愛され育ち、同じように娘や息子、孫を愛す。
あかんぼうの母が逝き、最愛の妻も逝ってしまう。
その度立ち上がれないほど嘆き悲しみ、途方に暮れる。
誰かが生まれて、誰かが死ぬことの繰り返し。
けれど、あかんぼうの反応は少しずつ変わっていく。歳を重ねる中で他者の死に対し、共に在ることを見つけて。母や師匠から教わったことを、弟子や子供達に教えて。無意識のうちに思考が繋がっていく。
「人間は二回死ぬ。1度目は肉体が死んだ時、2回目は人々の記憶から消えた時だ。」
あかんぼうの母も妻も弟子も亡くなってしまったけれど、あかんぼうは繋ぐことで彼らを生かしている。そうやって人は生きているのかもしれない。
本命さんの「本体」のことを、わたしは何も知りません。穴が開くほどインタビューを読んだって、blogやVBを見たって、一生分からない。でも、笑顔が苦手という彼に与えられた「素晴らしい笑顔で危機を乗り越える」という役が、「料理で世界中を幸せにしたい」という役の野心が、ふっと本命さんそのものとつながる瞬間がありました。普段はそんなこと考えないのに、重なってしまったものは仕方ない。
「そして最後は、スマイルだ!」が似合う本命さん、なによりも嬉しかったです。本命さんの笑顔が大好き。
老年期の演技が素晴らしい。特に60歳から99歳までの細やかな演じ分け。本命さんすげえ!
歩きにくさは子供も同じなんだけれど、子供の場合は頭が重くて転ぶんですよね。でも、老年期が転ぶのは脚が上手く上げられない、関節が動きにくい、とか、そういう方に原因があって。徐々に歩行の可動域が狭くなっていく本命さんのお芝居に感嘆。足の裏の使い方が刻々と変わっている気がした。あとは、80歳から99歳に向かう口元。おじいちゃんって口元ゆるいんだよね…わかる…みたことある…
固有の人物じゃないからこそ、そういう細やかな特徴を押さえて魅せてくれる。素敵だ。
老いてもなお、美しく見えるのは、きっとあかんぼうは良く生きてきたから。
自分の年齢までは、重ねて観ていて。年齢を越えたらきっと未来を想像するようになる。大切なことはシンプルで、目の前に生涯在り続ける。
あかんぼうのように不器用でもいいから、春からも生きていこう。
大阪も楽しみです!笑